Naviについて

船舶のNaviは単に便利とか楽しいというだけでなく、安全面に直結します。
船舶に置いて、自艇の位置を知ることは座礁や海難を避けられるだけでなく、
最短距離で避難できる、安全な航路を設定できる、燃料の消費量を推定できるなど
大きなメリットがあります。
国土交通省ならびに海上保安庁は時代錯誤なことに、いまだ紙の海図を推奨しています。
しかし、プレジャーボートでは操船に関与するスタッフが少ないために
現実的に荒天時の航海では操船だけで目一杯です。
こうした状況で紙の海図を見ることすらとてつもない困難を感じます。
平穏な航海では目標も良く見えますし、ちょっとくらいの寄り道はご愛敬です。
でも、2秒ごとに頭から波を被っているときに、最短時間で避難港に入れるのは
とてつもない福音です。しかもこういうときに限って燃料の残量が気になってきます。
さらにモーターボートは移動速度が速いので、気がついたときには、
暗岩の上を走ってたという事もあり、あとで背筋が凍りつきます。

電子チャートのなかでプレジャーボート用として現実的に選択しうるのは

1.水路協会ENC
2.GarminのGPSプロッター
3.C-Mapを利用するGPSプロッター

1.の水路協会ははっきりいって高額すぎます。そのくせ紙の海図が売れなくなると困るという変な理由から情報が間引かれているようです。
2.のGarminは日本語バージョン用の電子海図(ブルーチャート)はなかなか良くできてます。しかし、ハンディー機だけではディスプレーが小さすぎます。パソコンに接続すれば画面は大きいのですが、荒天時にパソコンを利用するのは、荒天時に電源を確保できるか、波の衝撃に耐えれるか、防水性を確保できるか、といいた面で確実性がなくとてもリスキーです。英語バージョンは各種の機器が用意されていてとても魅力的ですが、日本の海域に関しては英語版のブルーチャートの情報が最新でないとも聞きます。このあたりは実際に確認した訳ではありませんが・・・
3.のC−Mapですが、英語しか利用できないのは欠点です。しかし価格がとてつもなく安い、対応する機器が多い、視認性がよい、チャートが正確など、あらゆる面で理想的です。その上最新バージョンでは潮位や港湾情報、さらに、米国や限定した地域だけですがリアルタイムに風向、風速、波高、波向などを表示する機能があります。英語しか利用できない点も地名などはローマ字と思えば良いし、逆に漢字で読み方が分からないより便利とも言えます。価格の安さは特筆もので、紙の海図を1から揃えるより格段に安く、だいたい西日本全部の海図情報をすべて網羅しても機器とチャート込みで10インチのディスプレーなら20万円以下、7インチなら10万円以下で購入できます。情報源は日本の水路図紙のデーターですから正確さは海図以上です。海図50枚分を10万円で購入することは可能でしょうか?ただし、日本の水路協会と利用権でもめているせいで、国内ではメーカーが遠慮してC−Map対応機器を販売していません。しかし、海外では、国産メーカーはC−Map対応機器をどんどん販売しています。というより、販売しなければ、全く売れないという現実があるのです。C−Mapの海図はあらゆる縮尺のデーターをボタン一つで瞬時に呼び出せて表示できるので、紙の海図が対抗できる余地はありません。唯一、紙の海図は優っているのは、一度に表示できる面積です。さすがに1メートルを超えるディスプレーなんてプレジャー用に市販されていませんし、それに小型船舶に搭載することは非現実的です。最近発見したのですが、フルノのインターネット専用の通販でC−MAP対応のGPSプロッターが販売されています。しかも値段が、同社の他のプロッターと比べてメチャ安い。というか、他のが国際水準から見てメチャ高いだけなのですが・・・





上の写真はオープンクルーザーのコックピットに搭載しているInterphase社のGPSプロッター。6インチのディスプレー。
確かに10インチの方が全体が見やすいが、他の計器とのバランスでちょっと大きすぎるかと思い6インチにしました。
10インチを購入するより、6インチを2台購入して、拡大縮尺と全体の表示とを同時に2画面表示させた方が便利と思う。価格的にもほぼ同等になる。
もちろん、場所に余裕があれば、10インチ2台が望ましい。ちなみに10インチならスタンダード製が良いようです。
メーカーがsun light visibleと表現しているだけあって、直射日光下でもとてもよく見える
画面の切り替えや縮尺の変更は、メーカーがlightening speedと表現するだけに、瞬時に切り替わり、こうした点も、某国産のプロッターと比較すると雲泥の差があるようだ。情報量に関して、日本の海図の全情報がはいっているので、紙の海図は必要がないし、むしろ瞬時に縮尺が切り替えれるのでとても便利である。唯一不満なのは、縮尺によってデーターを更新した年月日が異なるようで、例えば拡大画面では、ちゃんと神戸空港が表示されるが、縮尺によっては表示されない。一般的には最大拡大画面の表示が最新に近い。実際に現認した航路標識も縮尺によってはまれに表示されていないことがあるが、画面を拡大表示にしていくと必ず表示される。逆に言えば、現認出来た標識で、チャートに記載されていなかった標識は皆無であった。これはすごいことだと感心した。もちろん暗岩や水深、低質も表示されているので、広島近辺の多島の海域を自在に航海するにはこの機器は必需品である。島と島の間を抜けれるのか否かは、モーターボートの速度が速いだけに、紙の海図で検討する間もなく、通過してしまう。C−MAPであれば水深や暗岩がわかるので、瞬時に通過できるかが判断できた。紙のチャートを使用していたときは、座礁やドライブの損傷が怖くて、航路以外を走るのは恐怖であったし、それ以外のエリアを走るときは海図とにらめっこになり、停船して検討する時間が長かった。時には、チャートの位置を誤認してしまい、安全だと思って危険な海域を通過していたなんてことが結構あった。こんなのは単にラッキーだっただけで、費用対効果を考えると、C−MAPを使わずにこうした海域を航海するのはただのアホで、後悔の元でしょう。





画面の表示例。デジカメとディスプレーの相性が悪くてモレアが入っているが、実際の画面ではきれいに表示されている。
購入先
チャート
機器